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                    渉 外

 渉外活動を行なうにあたり、当初から何をどうしていいやら殆どわからず、遠征経験者の方々 にお会いしていろいろお話を伺ったり、他隊の報告書や資料をびっくり返したり悪戦苦闘であっ た。そしてやっと準備も整い、後は出発するだけというところまでこぎつけたものの、ビザが発 行されず出発を延期せざるを得なくなってしまった。問い合わせをしても、はっきりした事情が わからず、また、OB隊員が一人参加出未なくなった為、一時は遠征自体が危ぶまれる程深刻な 事態に落ち入り、多くの方々に御迷惑をおかけしてしまった。我々の渉外活動における甘さを痛 感させられた出来事であった。

 しかし、現地では我々の交渉力のなさを見越して、殆どの事務手続きの代行を旅行代理店に依 頼した為、渉外の苦労は少なかった。前もって日本から交渉していたので、現地での契約も簡単 に済ます事ができたが、もう少し交渉金額をおさえるべきであった。

 代行を依頼した項目は、隊荷の通関とホテルまでの輸送、各種の許可の取得、デリー、ベース キャンプ間の隊員と隊荷の輸送全般に関する事、それと帰りの際の隊員と隊荷の輸送と通関であ った。この為、デリーでの準備はあっという間に終わり、後はベースキャンプまで運んでもらう だけといった感じであった。おかげでトラプルも殆どなく、スムースに登山活動に入る事ができ た。こういう方法にはかなり異論もあろうと思われるが、我々のような経験者もいない若い隊が 登頂に成功できた一因はここにもあると思う。

 このように、登頂は出来たが、いろいろ反省することの多い渉外活動であった。この事を肝に 命じて、二度と同じ失敗を繰り返さぬよう、この経験を生かしてゆかなければならない。

  尚、御迷惑をおかけした皆様には改めてお詫びを申し上げますとともに、御協力をしていただ いた皆様には厚く御礼申し上げます。             
                                   (記 佐々木貴徳)