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                   ヒマラヤを後に


6月23日 (水) 晴後曇
 朝7時。外の験がしい様子に目をさまされテントを出てみると、既にポーター達が到着している。昨夜の内に3,700mのキャンプ地迄登り、朝早くBCに向ったらしい。頑張ったものだ。
 早々に荷物をまとめ、掃除をして、BCを発つ。来た時は雪に覆われていた場所も、今は草が生え、小さな花が咲いて、美しい草原となっている。もう少しすると、羊飼い達が羊を連れてこの辺までやって来るらしい。
 何度も何度も後ろを振り返りながら、見なれた景色を跡にする。もう2度とこの景色を目にすることもないであろう。
 ガンゴトリに着き、久々のベッドで手足を伸ばすと、終ったという実感が湧いて来る。

6月24日 (木) 晴後曇
 今日はチャーターバスでウッタルカシ迄である。午前6時出発し、途中例の如くバロンガティ・ランカ間は徒歩で、午後1時20分にウッタルカシ着。相変わらずの人込みである。
 夜、クマール氏と映画鑑賞に行くことにした。ヒンズー語の映画で、何を言っているのやらさっぱりわからないが、勧善懲悪の単純なストーリーで、画面を見ているだけで仲々楽しめる。しかし、映画館に集まる人の多いのには本当に驚かされた。正にラッシュと言った感じで、どこにこんなに多くの人がいたのだろうか、と思う程である。

6月25日 (金) 晴
 ここでキッチンボーイのバハドゥルやポーター達とお別れである。出発前、見送りに来てくれた彼らと、「ダンニャワード」(ありがとう)と言いながら、握手をして別れる。彼らの屈託のない笑顔が印象的であった。
 今日はローカルバスで、リシケシ迄7時間の行程である。狭い車内で体を縮こませて長時間揺られるのは非常に疲れる。
 リシケシは、来る時は気付かなかったが、人口の多い大きな町である。そばを流れるガンジス川で沢山の人が沐浴をしている。しかし、ここはガンゴトリと違って水も冷たくなく、どう見ても水泳を楽しんでいる様にしか見えない。

6月26日 (土) 晴
 まだ真っ暗な午前4時に叩き起こされ、朝食も食べずにローカルバスに乗り込む。今日でパスの旅も終り、デリー入りである。バスに揺られながら、山脈が姿を消し見渡す限りの地平線となった景色を眺めていると、改めてインドの広さを感じる。
 デリーのパスターミナルに着くと、署さと騒々しさで目まいがしそうな程である。 YMCAホテルで、愛媛新聞社の石丸OBに電話をし、登頂の成功と全員無事である旨伝える。