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                    神々の山河へ

5月26日 (水) 晴 ニューデリー------リシケシ
 タ方にはニューデリーを出発ということで、何がなんでも通関を済ませるべく、空港へと向かう。隊荷の保管料と賄賂で思わぬ出費があったが、何とか昼までに隊荷を受取ることができた。
曽我部、川口は IMF ( インド登山財団 )へ行き、リエゾンオフィサーのクマール氏と合流。クマール氏は、空軍勤務の精悍な感じの人である。その後、日本大使館へ行って計画書を提出し、16時40分、立派なチャーターバスで神々の山河を目指して出発する。猛スピードで走るバスに肝を冷やしながら、午前0時頃やっとリシケシに到着。全員バテ気味である。

5月27日 (木) 晴 リシケシ-----ウッタルカシ
 リシケシからはヒマラヤヘと続く山岳地帯が始まる。今日のバスは昨日とは大違いのオンボロバスで、ギシギシと車体を軋ませながら山道を登って行く。デコボコ道の為、おちおち居眠りもしていられない。それでも、所々日本の山村を思わせるような風景があり、郷愁を満たしてくれる。ウッタルカシで最後の買出しを済ませ、ポーターの為に深夜まで荷物を再梱包する。


5月28日 (金) 晴一時雨 ウッタルカシ----ランカ…バイロンガティ----ガンゴトリ

 朝早くから起こされ、皆眠そうな顔付きである。ここからはポーター達もいっしょにバスに乗り込む。一層険しくなった山道を、一層オンボロになったバスで進み、寿命の縮まる思いを味わう。ランカからバイロンガティまではバスの通る橋がない為、徒歩で谷を渡り、そこから1台のジープに8人も乗り込んでガンゴトリに着く。寺院で登山の安全と成功を祈願した後、周囲の高峰を眺めたりしながらくつろぐ。クマール氏とも大分打ちとけてきた。



5月29日 (土) 晴 ガンゴトリ……3,700m地点
 いよいよ今日からは歩いて登らねばならない。全て旅行代理店に依頼してあるので、ポーターとのトラプルもなく気が楽である。各々写真を撮ったりしながら、マイペースで羊飼いの通る踏み跡を辿る。スキーのインストラクターもやるというクマール氏は、元気者の川口と共に快調に登って行く。佐々木隊長は、途中で迷子になりかけ、ポーターに助けられるはめとなる。昼過ぎに、今日のキャンプ地である標高約3,700mのなだらかな所へ到着する。高度障害の為か頭痛を訴える者が出始める。

5月30日 (日) 晴 3,700m地点……ケダルガンガカラク
 キャラバンの最終日。途中までは比較的なだらかな道で、行手に見えるテレイサガールやブリグパントに目を奪われながら歩<が、大崩壊地を高巻きする所では数歩登るごとに息切れがして、大変苦しい。しかしそこを乗り切ると、やっと目指すマンダT峰がその姿を見せてくれた。期待と不安、それに動悸が入りまじって高鳴る胸を抑えながら、しばし熱い視線を送る。そこから程なく、我々のベースキャンプ ( BC ) 地となるケダルガンガカラクに到着し、荷物が揃うのを待つ。三々五々ポーターが到着するが、フィックスロープを一巻き谷へ落とされてしまい、仕方なくあきらめる。ここまで上がると完全に高度障害が出て、皆頭痛をこらえながらテントを設営し、中へ転がり込むが、川口は何故か元気である。夕方、雪がちらつき始める。