肘の運動療法
肘の痛みを起こす疾患
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)野球肘
上腕骨外上顆炎(テニス肘)
テニスをやっていると、肘の外側に痛みを生じることがあり、テニス肘といわれます。 医学的には上腕骨外上顆炎(外側上顆炎)といい、テニスだけでなく、頻繁に手を使ったり、荷物を持つ仕事でもよく見られます。
前腕伸筋群(手関節を手背の方向に曲げる筋、主として橈側手根伸筋)が肘の外側(外側上顆)についている部分の障害です。
テニスの場合これらの筋は、ボールを打つ時にグリップを強く握り、手関節をしっかり固定させるのに大変重要な働きをしています。ボールを打ちすぎたり、フォームが悪いと、筋肉の収縮時に腱の付着部に過度の張力が繰り返してかかることより、損傷を生じます。物を持ち上げたり、タオルを絞ったりすると痛みが出てくるようになります。
治療と予防のためには、適度な握力訓練や前腕と手関節の筋力強化、およびストレッチを十分に行うことが必要です。テニスにおいて、適切な用具を選ぶこと、正いフォームで打つことのほかに、過度の練習をしないことも大切です。再発防止のためテニス肘用バンドを用いることも、肘に加わる衝撃を吸収するので効果があります。症状が強い場合にはしばらく手を休める必要があり、症状が軽くなっても、すぐにラケットを握ることは禁物です。
治療は、症状が強い場合はラケットを握ることを休み、急性期にはクーリング、慢性期には温熱療法、レーザー治療などを行います。薬物療法としては鎮痛剤の内服や外用剤の湿布等が有効です。症状が軽くなっても、すぐにラケットを握らず、ストレッチングを十分に行うことが必要です。
予防としては、適切な用具を選ぶこと、正いフォームで打つことのほかに、過度の練習をしないことも大切です。また握力を強化したり、手関節の筋力を強化する訓練を日頃から行うことも必要です。再発防止のためテニス肘用バンドを用いると肘に加わる衝撃を吸収するので効果があります。
肘の運動療法の実際
肘を伸ばして、手を掌屈させる。10秒間ずつ10回行う。
肘を伸ばして反対の手で手のひらを背屈、掌屈する
肘を伸ばして、手を背屈させる。10秒間ずつ10回行う。
肩と肘に力を入れないようにし、ボールを5、6秒間、ゆっくりと、握り締める。(10~20回)
肩と肘に力を入れないようにし、2、3kgの重りを持ち、ゆっくりと屈曲させる。(10~20回)
肩と肘に力を入れないようにし、2、3kgの重りを持ち、ゆっくりと背屈させる。(10~20回)
肘関節よりやや末梢の前腕につける。
ストロークの時、肘に加わる衝撃をやわらげる。
スウィートスポットの大きいラケットを選び、ガットの強さを調整する。強すぎても弱すぎてもいけない。グリップの太さ、ラケットの重さも自分に合うものを選ぶ必要があります。