足関節捻挫
足関節(足首)の捻挫は、日常最も目にすることの多い外傷です。関節は骨と骨をつないでいる靭帯が働いて、スムーズに動くことができるようになっています。捻挫というのは、関節を捻ることでこの靭帯を痛めるけがです。
足関節には大きく分けて内側と外側に側副靭帯という靭帯があります。内側の靭帯のほうが強いため一般的には、足を内返しして外側の靭帯を痛めることが多いです。
足関節捻挫の治療
程度の軽い時は、そのままでも数日から数週間で痛みがとれます。しかし、靱帯が断裂する重傷の場合、十分な治療が行われないと靭帯がくっつかず、関節のゆるみが残ります。
捻挫がくせになった”などと言う人がいますが、捻挫を繰り返しやすくなるわけです。
坂道で転びやすくなったり、激しいスポーツをするとき足首を捻りやすくなります。しかし、問題になるのは、1回1回の捻挫は痛みが軽いため、ついつい繰り返し無理をしてしまうことです。
捻挫を繰り返すことにより、軟骨が磨耗したり、骨に無理がかかって骨壊死というような合併症をおこすことがあります。最終的には変形性関節症になり、通常の生活でも痛みが出て、装具をつけたり大きな手術が必要になることも有ります。
捻挫をしたときに足首の関節に血がたまってひどく腫れたり、皮下出血のため皮膚が青黒くなって、数日歩きにくさが続くような時は要注意です。
痛みの強い場合や激しいスポーツをする選手などの場合、切れた靭帯を縫合する手術を行う場合もあります。しかし趣味でスポーツをするような方の場合、ギプスなどを使い4週間から6週間の固定をすることで靭帯が癒合して不安定性がほとんどなくなり、もとのスポーツに復帰できます。テーピングでは、靭帯をきっちり治すことは困難です。
長くスポーツを楽しむためにも、たかが捻挫、とかたずけて安心せず、整形外科やスポーツドクターなどの専門医を受診して下さい。