腰椎椎間板ヘルニアとは
椎間板は、背骨(椎体)と背骨の間にあって、周辺のしっかりした繊維輪の中に、髄核という水分が多く柔らかい組織がつつまれており、体重をささえ、衝撃を和らげるクッションの働きをしたり、伸びたり縮んだりして身体の曲げ伸ばしをする役目があります。
椎間板は年令とともに弾力性が減り、繊維輪にキズができて中の髄核がとびだしたものを椎間板ヘルニアといいます。
椎間板ヘルニアの症状
椎間板が痛んだことによる腰痛、臀部から大腿にかけての放散痛などの症状がでます。とびだしたヘルニアが神経を圧迫した場合は、腰痛だけでなく膝の下から足の甲、指先までのしびれ、痛み、力の入りにくさなどの症状がでます。これを坐骨神経痛といいます。
椎間板ヘルニアの治療
ヘルニアといっても、神経の圧迫のない場合は腰や臀部、太ももまでの痛みが出ても、リハビリ、薬(鎮痛剤、筋弛 緩剤など)、運動療法(腰痛体操)などでほとんどの痛みがとれることが多いです。
坐骨神経痛のある場合は安静が大事となります。
外来でのリハビリ(腰の牽引療法、温熱療法、低周波治療など)や薬で良くならない場合、入院してする持続牽引(ベットのうえでゆっくり腰を引っ張る)や腰の神経に直接注射する神経ブロックなどを行います。神経ブロックの代表が腰部硬膜外ブロックです。血圧が下がったり、足が痺れたりしますが、普通は一時的で、気をつけて行えば、あまり危険な治療ではありません。
1~3ヶ月治療して効果がなければ手術をする場合があります。手術をした方が回復が早い場合もありますが、椎間板をのけることになり、手術をしても何年かして腰痛が再発することもあり、最初からはお勧めしません。
手術はできるだけそれ以外の方法(保存的治療)で治療し、どうしても治らない場合にするべきではないかと考えています。
レーザー光線を使う手術や経皮的髄核摘出術という手術もあり、キズも小さく、早期に退院ができる利点もありますが、神経を傷つけたり、神経の癒着などの問題があり、通常の手術と比較してもお勧めできません